公的年金からの特別徴収
公的年金等の所得に対する個人住民税の特別徴収
1.概要
公的年金の受給者を対象に、公的年金にかかる住民税が年金支払時に天引き(特別徴収)されるようになりました。
この制度は平成21年の10月支払い分の年金から開始されています。
2.対象者
個人住民税の納税義務者のうち以下の条件を全て満たす方が対象となります。
▸その年の4月1日現在、足立区に住民登録がある人
▸その年の4月1日現在、公的年金の老齢給付を受けている65歳以上の人
▸介護保険料が特別徴収(天引き)されている人
▸所得税の源泉徴収及び社会保険料(介護保険料、国民健康保険料及び後期高齢医療保険料)を天引きした後、なお住民税を天引きする金額が残る人
ただし、老齢基礎年金等の給付額が年間18万円未満である場合は、特別徴収の対象となりません。
3.対象となる年金
特別徴収の対象となる老齢または退職を支給事由とする年金は次のとおりです。
遺族年金・障害年金は対象となりません。
特別徴収される年金の種類は納税通知書に記載されます。
⑴国民年金法による老齢基礎年金
⑵旧国民年金法(昭和60年国民年金等改正法による改正前の国民年金法)による老齢年金及び通算老齢年金
⑶旧厚生年金保険法(昭和60年国民年金等改正法による改正前の厚生年金保険法)による老齢年金,通算老齢年金及び特例老齢年金
⑷旧国共済法等(昭和60年国共済法等改正法による改正前の国家公務員等共済組合法及び国家公務員等共済組合法の長期給付に関する施行法)による退職年金,減額退職年金及び通算退職年金
⑸旧地共済法等(昭和60年地共済法等改正法による改正前の地方公務員等共済組合法及び地方公務員等共済組合法の長期給付に関する施行法)による退職年金,減額退職年金及び通算退職年金
⑹旧私学共済法(昭和60年私学共済法改正法による改正前の私立学校職員共済組合法)による退職年金,減額退職年金及び通算退職年金
⑺旧船員保険法(昭和60年国民年金等改正法による改正前の船員保険法)による老齢年金及び通算老齢年金
⑻厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律に規定する移行農林年金のうち、退職年金,減額退職年金及び通算退職年金
また、2種類以上の年金を受給されている方の場合、その受給額の多少に関わらず、特別徴収を行う年金について次のとおり優先順位が決められており、高順位の1つの年金から特別徴収されます。
2種類以上受給されている場合は、その合算額に係る税額が特別徴収されます。
⑴国民年金法による老齢基礎年金
⑵旧国民年金法による老齢年金又は通算老齢年金
⑶旧厚生年金保険法による老齢年金,通算老齢年金又は特例老齢年金
⑷旧船員保険法による老齢年金又は通算老齢年金
⑸旧国共済法等による退職年金,減額退職年金又は通算退職年金(厚生年金保険の管掌者たる政府が支給するものとされたもの)
⑹旧国共済法等による退職年金,減額退職年金又は通算退職年金(上記(5)以外のもの)
⑺移行農林年金のうち、退職年金,減額退職年金又は通算退職年金
⑻旧私学共済法による退職年金,減額退職年金又は通算退職年金
⑼旧地共済法等による退職年金,減額退職年金又は通算退職年金
4.徴収方法
a.新しく特別徴収を開始する年度の徴収方法
初めて公的年金からの天引きが始まる場合、または昨年度の途中で天引きが中止になり新たに天引きの対象になった場合は、10月支給の公的年金から天引きが始まります。
その場合、年税額の半額は納付書や口座振替での納付となります。
期別 | 第1期 | 第2期 | 10月 | 12月 | 翌年2月 |
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徴収方法 | 納付書や口座振替での納付 | 公的年金からの天引き | |||
税額 | 各期、年税額の4分の1 | 各月、年税額の6分の1 |
b.特別徴収を継続する年度の徴収方法
昨年度より引き続き公的年金から天引きされる場合は、今年度の住民税額にかかわらず4月・6月・8月は前年度の2月と同じ額を毎回天引きします(仮徴収)。
10月・12月・2月の年金からは、今年度の年税額から8月までの天引き額(仮徴収)を差し引いた額の3分の1ずつをそれぞれ天引きします。
年金支給月 | 4月 | 6月 | 8月 | 10月 | 12月 | 翌年2月 |
---|---|---|---|---|---|---|
徴収方法 | 仮徴収 | 本徴収 | ||||
税額 | 各月、前年度の2月分と同額 |
各月、年税額から仮徴収分を差し引いた額の3分の1 |
▸平成28年10月以降から下記のとおり、制度が改正されます。
年金支給月 | H29年4月 | H29年6月 | H29年8月 | H29年10月 | H29年12月 | H30年2月 |
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徴収方法 | 仮徴収 | 本徴収 | ||||
税額 | 各月、平成28年度の年税額の6分の1 | 各月、年税額から仮徴収分を差し引いた額の3分の1 |
5.その他
a.平成21年度より65歳以上の方の場合、公的年金等の収入に対して計算された住民税は給与からの特別徴収ができなくなりました。
公的年金等の収入に対して計算された住民税は、公的年金からの特別徴収となっています。
また、公的年金等からの特別徴収ができない場合でも、給与からの特別徴収はできませんので普通徴収となります。
※平成23年度より、その年4月1日現在65歳未満で、住民税が給与から天引きされる方は、公的年金等に対する住民税額も含めて給与からの天引きが原則となります。
b.以下の場合、公的年金からの特別徴収は中止となります。
▸年度の途中で足立区から転出した場合(一定の要件により継続)
▸年度の途中で死亡した場合
▸年度の途中で何らかの理由により足立区に住民登録がなくなった場合
▸公的年金を担保に融資を受けたり、現況届の出し忘れで公的年金の支給が止まる等、公的年金からの天引きができない場合
▸介護保険料の公的年金からの天引きが中止になった場合
▸所得や扶養などの控除に修正があり公的年金から特別徴収すべき税額が変更になった場合